静岡県の作業療法士の皆様へ

公益社団法人静岡県作業療法士会 会長 岡庭隆門からメッセージ
「全ては対象者のために」

医療や支援の現場での医療者や支援者による虐待は、報道されている有名事例だけでもこの40年ほどの間で15件余りあり、実際には氷山の一角とも言われています。
虐待や違法な医療行為は絶対に許されるべき事ではないと断言いたします。
一方で会員の皆様には、なぜこのようなことが繰り返され続けているのか、こういった事象の起こる背景要因に思慮深く思いをめぐらせてみてほしいと思います。
そして、自分自身が今現在も、それぞれの所属施設や周囲からさまざまな影響を受け、与え続けている存在であり、こう言った出来事の社会背景要因の一人として存在しており、背負わされている物があることを自覚してまいりましょう。
社会での自身の今を忘れ、透明人間かのような立場で物事を批判し正論で指摘することで終わらせることなく、「自分でなくて良かった」と切り捨て忘れ去ることなく、繰り返され続けている負の循環を断ち切るために我々は何を考えるべきなのか、そして何をすべきなのかを改めて深く考えていただきたいと思います。

これは特定の施設や病院や個人への声明文ではありません。我々作業療法士は共生社会を目指してライフサイクルや疾患・障害・生きづらさを問わず誰もが安心して望む暮らしの実現に向けて支援する仕事です。今一度、昨今の虐待や不正医療行為に関する出来事を会員全員が自分のこととして、作業療法士としての姿勢を振り返り襟を正す機会としていただきたいというお願いです。静岡県作業療法士会は県士会の事業を通じて作業療法士としての職業倫理を再確認し、より良い作業療法の支援ができるよう会員の皆様と共に前に進んでゆきたいと考えております。もしも悩み苦しまれている会員がおられる場合、県士会としてその声を聞き真摯に対応を進めてまいります。
皆様の自覚と協力をお願いしたいと思います。

全ては対象者のために。One for All, All for One

2023.8
公益社団法人 静岡県作業療法士会
会    長     岡庭 隆門